地球最後の楽園と呼ばれ、手つかずの大自然が残るパプアニューギニア、独特の文化を持った500以上の民族が暮らし700以上の言語が話されている。 パプアニューギニアには多くのフィッシングスポットがあるが、今回はニューギニアらしくない?立派なリゾートホテルと豪華なクルーザーのあるマダンを選んだ。
マダンは首都ポートモレスビーより国内線で約1時間。ビスマルク海に面した美しい港町である。珊瑚礁の海岸線のすぐ後ろは火山性の山々、沖合いにも釣りのポイントとなる火山島のカルカル島が浮かんでいる。
マダンの街中には巨大なガジュマルの木がそびえ立ち、空を見上げれば翼を広げると1mはあるであろうと思われるフルーツバットが無数に飛び交っている。今まで釣行して来たモルディブやミクロネシアの島々とはまったく違った趣である。
今回は僕と写真家の大久保氏と2名で釣行した。
大久保氏は当初ニューギニアに釣りに行こうぜと誘いをかけた時、「旧日本軍の幽霊でるからいや〜」とか「僕お化けきらい〜」とか駄々をこねていたが、無理やり連行して来た。
しかし現地に着けば、いつもの通りダイバーのお姉ちゃんにちょっかいをかけて楽しんでいる様だった。
クルーザーの発着するハーバーはホテルのすぐ横にあり、とても便利だった。キャプテンと翌朝6時に出船する約束をして、旅の疲れを癒す為、早めにその日は眠りについた。
しかしその夜、僕はなぜかバシバシに金縛りにあってしまった。霊感の強いと言われる大久保氏は金縛りゼロ、後で分かったのだが、彼は日本から荒塩を持参し、僕に内緒でベッドの周りに結界を作っていたとの事、それで霊現象は一手に僕が引き受ける羽目に・・・
そしてあまり眠れずに朝を迎えて出港となった。
初日はマダンから2時間の距離にあるバガバグアイランドへ向かった。キャストを始めてしばらくすると大久保氏のルアーに30Kgクラスのサメがバイト、ゴリ巻きにしてあっと言う間にランディング。(大久保っち今日も元気一杯ねぇ〜)などと考えていた矢先に、今度は僕にもでかいサメがヒットした。(まあサメが多いと言う事は海が豊かな証拠なのですが、あんまり食ってほしくないですよね、ルアーもシステムもボロボロになるし、疲れるし・・・)
サメの引きを数発堪能した後にポイントを移動。
リーフの周りに数個所のナブラを発見。今度はGT釣れよるでぇ〜とキャストを開始、1キャストでヒットした。でかいサワラがルアーを咥えて3m位ジャンプした。(このリーフは牙もんばっかりかぁ〜)などと言いながら数匹のサワラと遊んだ。
サワラの猛攻の後、ようやくGTとバラフエダイのヒットが増えてきた。型は大きくないが数はかなり出る。バラフエダイは浅瀬にルアーを乗せると4、5匹が競う様にルアーに襲い掛かる。
ここのGTはポッパーよりペンシルの方が好きらしくペンシルに変えてからはさらにヒット数が増えた。
初日は この海のプレッシャーの少なさを感じながら、多くの魚と渡り合う事が出来た。
マダンからここまで来れるフィッシングボートは2隻しか無いらしい。客の殆どはカジキ狙いのオーストラリア人。GTを狙う客はあまりいないらしい。今年は日本人が数組来ただけとの事。
現地人は丸木船のカヌーでのんびりと漁をしている。
こんな釣場は 魚が残りますね。
翌日は火山島のカルカルアイランドへ釣行した。こちらも2時間の行程である。
島周りのリーフに着いてみるとあたり一面ナブラがあった。他のフィッシングボートは1隻も無く、すべてのナブラを独占出来る状態だ。
爆釣の予感がした。
ポッパーを数投すると、どでかいイソマグロが飛び出した。この魚はヒットしなかったが、船の周りをまだウロウロしていた。50Kgクラスだ。
つぎのキャストでは巧く魚を乗せる事ができた。これも50Kgクラスだ。イソマグロ特有の走りで一気にラインを持って行く。何とかファーストランを凌いで魚をこっちに向かせようとした時、ドスンと重量が加わった。そしてガツガツと大きくアタリだした。「サメや〜サメに食われてる〜」サメの歯でブレイクしたラインはスゥーとテンションを失った。
その後何発はトップでグッドサイズのイソマグロを掛けたが頭のみになったりできっちりとランディングする事は出来なかった。
日が高くなるにつれイソマグロはヒットしなくなった。代わりに昨日と同サイズのGT、バラフエダイが食いだした。サメの邪魔も何故か無くなり、快適にGTフィッシングを楽しむ事が出来た。
大型のGTの顔が拝みたく2人で必死にキャストを繰り返したが、今回は小ぶりなGTオンリーでストップフィッシングとなってしまった。
ここのGTは大きさはそこそこで、バラフエも多く数が出るので初心者がスキルアップ目的で釣行するのに持って来いの釣り場だと思う。時々出る大型のイソマグロには注意が必要だが、僕は2000年の年末にもう一度トライしに来る事をキャプテンに約束した。
今度は大きいトレバリーを釣らせるよとキャプテンも約束してくれた。
最終日私たちは ニューギニアの二大イベントのひとつゴロカショーが開催されているとの事だつたので 現地で国内線の飛行機を取ってゴロカへ寄り道をする事にした。
このゴロカショーでは、ニューギニアの全国から多くの部族が集まり、それぞれの伝統衣装を身に着け踊り、その年のベスト1を決める。祭りの参加者人数は数千人に及び、見物客を入れると数万人に及ぶとの事。
会場入りした僕たちは 躍動する踊りと音楽、そして原始を思わせる幻想的な雰囲気に完全に飲み込まれてしまった。これは本当に圧巻でした。
僕たちのニューギニア釣行にこの祭りは最高の花を添えてくれた。
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